イギリスでは国会議事堂で場面緘黙の啓発イベント

  • 2018.02.25 Sunday
  • 11:04

場面緘黙について考える−忘備録―さんのブログに、良い記事がありました。

 

国会議事堂内で場面緘黙の啓発イベント
 2016年7月6日(水)、ウェストミンスター宮殿(国会議事堂)内で、ルーシー・パウエル議員(労働党)とナイジェル・エバンズ議員(保守党)、そしてSMiRAが共催する場面緘黙の啓発イベントが開かれました。

https://smnotes.com/国会議事堂内で場面緘黙の啓発イベント/#comment-3354

  

発達障害者支援法から場面緘黙や吃音が外される?

  • 2018.02.25 Sunday
  • 02:17

 

 最近、場面緘黙の当事者の方から、発達障害者支援法の対象から場面緘黙が外される恐れがあるという噂を聞いたけれど、どういうこと?と質問を受けました。

 厚生労働省や国会議員の皆様が、そんなことはされないと思いますが、心配がある周辺の事情を、長くなりますがここに書きます。決して、外されるというのが決まっているのではなくて、恐れがあるという段階です。しかし、時間も限られていますし、用心に越したことはありません。

 今のうちに、出来るだけ陳情などしていきましょう。今、関係の会では要望書などの検討に入り始めています。

 では、本文を書きます。

 

どんな問題か

 最近問題になっている発達障害から吃音や場面緘黙が外れるのではないか、という心配は、ICD(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)が11版へ2018年に改定されるという大変化に伴う心配です。

発達障害者支援法の対象となる障害は、WHOのICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)における「心理的発達の障害(F80−F89)」及び「小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F90-F98)」に含まれる障害である」と規定されていて、そのICDが今年2018年に11版へ改定されますので、法律の対象の障害が変わってくる可能性があるのです。現行のICD-10の中に、選択性緘黙や吃音が含まれているのです。

 これらの用語は主に世界保健機構(WHO)の疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)の用語を主に用いています。ICDは普通、国際疾病分類と簡略に呼ばれることが多い、国際的な病気の統計を取ったり、世界規模での疾病対策をしたりする際の分類体系です。その第10版を基に政令や省令は書かれています。

 法律の条文では以下に引用しているように、書かれていますが、慣れないと、何が書かれているか分かりにくいです。第2条で書かれている障害は、中心となる障害です。あまり変更はないだろうと想定して書かれています。しかし、この部分も、元の障害名が変わってくるので、改定されると思います。

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発達障害者支援法

 発達障害者支援法の発達障害の定義をみてみます。この法律では、法律の条文に直接書かれている障害と、政令で規定している障害と、厚生労働省令で規定している障害の3段階で対象の障害を定義しています。

 

第二条 この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。

 

政令第百五十号 発達障害者支援法施行令

(発達障害の定義)

第一条発達障害者支援法(以下「法」という。)第二条第一項の政令で定める障害は、脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもののうち、言語の障害、協調運動の障害その他厚生労働省令で定める障害とする。

 

厚生労働省令第八十一号

発達障害者支援法施行令第一条の厚生労働省令で定める障害は、心理的発達の障害並びに行動及び情緒の障害(自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、言語の障害及び協調運動の障害を除く。)とする。

 

政令や省令で規定している部分は、状況の変化に応じて、変更する含みがあると考えられます。11版で大幅に改定されますので、これらの部分も当然改定されます。

 この法律が施行されたとき、平成17年4月の厚生労働省と文部科学省の通知では、もっと簡略に、“ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)における「心理的発達の障害(F80−F89)」及び「小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F90-F98)」に含まれる障害である”と書かれています。ICD-10が分からないと訳が分かりません。次の次にICD-10の関連する部分を書きますが、その前に、「発達障害」という言葉について少し説明します。

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発達障害は診断名か?

 「発達障害」という用語の根本的な誤りをまず確認しておきます。

 

〇発達障害と言う言葉は,身体障害という言葉と同格のものです。

 身体障害というと脳性マヒのお子さんなど,肢体不自由がイメージされがちですが,それだけではありません。身体障害には,視覚障害や慢性の肝臓病など内部疾患も含まれていて,非常に幅の広い状態像を包含した言葉です。「身体障害」という言葉は法律の用語です。病名すなわち,診断に使う用語ではありません。植物>果物>桃 という関係では,「植物」に当たるような言葉です。病院であなたのお子さんは身体障害という病名ですというお医者さんは皆無です。

 発達障害という言葉も,本当は法律用語で,「植物」に当たる用語です。これを「発達障害(法律用語)」と書くことにします。自閉症スペクトラム症は,「桃」と同格ですので,「発達障害(法律用語)」>自閉症スペクトラム症という関係です。このように,法律用語なので,正式には「発達障害」という診断名はありません。

 ところが,実際は「発達障害」という言葉は日本中で誤用されていて,診断名のように使われています。これを,ここでは法律用語と区別するために「発達障害(診断名??)」と書くことにします。「発達障害(診断名??)」には,自閉症(自閉症スペクトラム症),学習障害,ADHD(注意欠如多動性障害)の三つだけが含まれていると,日本中で思われています。これも誤解です。次に説明するように、様々な障害が含まれています。

 それは、従来、障害者福祉3法と呼ばれていた知的障害者福祉法、身体障害者福祉法、精神保健福祉法の三つで、カバーできない谷間にいた障害者に福祉を及ぼす目的で発達障害者支援法が出来たからです。知的障害を伴わない自閉症者は、これらの法律ではケアできなかったのです。他にも、福祉の谷間にいたいろいろな障害についても福祉を及ぼすためにできた法律です。

 LD,ADHD,自閉症スペクトラム障害の他は、あまり注目されていませんが、本当はこの法律を必要としている障害は多数あるのだといえるでしょう。この論議は、どのような障害が対象となっているかを確認した後に、再度、述べて参ります。

 

「発達障害(法律用語)」は日米で異なる

 発達障害は制度のカテゴリー名なので法律用語だと申しました。少し調べると分かるのですが,米国と日本では,法律の中身が異なるのです。米国では脳性まひやてんかんの子どもがまず「発達障害(法律用語)」として定められ,ずっと後に自閉症や学習障害の子どものことが加えられたという歴史があります。

 日本の法律を見ても,々汎性発達障害(自閉症,アスペルガー症候群などが含まれる),学習障害(LD),C躇娵膣拌親粟障害(ADHD),て丹曚文生貳達障害,協調運動障害(DCD)といった多様な子どもたちが「発達障害(法律用語)の対象と規定されています。それらは法律の対象に入っている事を意味します。非常に幅のあるそれらの状態像に共通の「特性」があるはずがありません。

 自閉症スペクトラム障害の子どもを「発達障害(診断名??)」と言うのは,「これ何?」と八百屋さんでピンク色の丸い果物(桃)を指さしたら,「植物」と店主が答える様なものです。

 当然,その原因も一つではなくて,様々な原因が複雑に絡み合って,様々な状態像を示している訳で,簡単ではありません。むりやり,脳の障害と仮定している人もいますが,専門的に研究している方は,自閉症においても,脳の病変を証明出来ていないのが現状です。脳はさまざまな働きをしているので,脳を原因と仮定するのは,誰でも出来ることですが,誰にもまだ,はっきりした証拠を示せないでいると言えるでしょう。証明されていない仮説で,原因論を云々することは時期尚早だと思います。

 

法律用語としての発達障害

 

発達障害者支援法が発効する日に文部科学省と厚生労働省の次官の連名で出された通知 

17文科初第16号

厚生労働省発障第0401008号

平成17年4月1日

これらの規定により想定される、法の対象となる障害は、脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもののうち、ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)における「心理的発達の障害(F80−F89)」及び「小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F90-F98)」に含まれる障害であること。

 なお、てんかんなどの中枢神経系の疾患、脳外傷や脳血管障害の後遺症が、上記の障害を伴うものである場合においても、法の対象とするものである。(法第2条関係)

(後略)

 

まず、現状でどのような形で、発達障害者支援法に入っているかを確認しましょう。

 

上記の通知で示している障害は以下のようになります。

 

○WHOの国際疾病分類(関係部分のみ)F8 DISORDERS OF PSYCHOLOGICAL DEVELOPMENT  心理的発達の障害

F80 会話および言語の特異的発達障害

F80.0 特異的会話構音障害

F80.1 表出性言語障害

F80.2 受容性言語障害

F80.3 てんかんにともなう獲得性[後天性]失語[症](ランドウ-クレフナー症候群)

F80.8 他の会話および言語の発達障害

F80.9 会話および言語の発達障害,特定不能のもの

 

F81 学力[学習能力]の特異的発達障害

F81.0 特異的読字障害

F81.1 特異的綴字[書字]障害

F81.2 特異的算数能力障害[算数能力の特異的障害]

F81.3 学力[学習能力]の混合性障害

F81.8 他の学力[学習能力]の発達障害

F81.9 学力[学習能力]の発達障害,特定不能のもの

※筆者注)学習障害にほぼ対応する分類

F82 運動機能の特異的発達障害

 (筆者注:協調運動障害DCDとほぼ同じ)

F83 混合性特異的発達障害

F84 広汎性発達障害

F84.0 小児自閉症[自閉症]

F84.1 非定型自閉症

F84.2 レット症候群

F84.3 他の小児期崩壊性障害

F84.4 精神遅滞および常同運動に関連した過動性障害

F84.5 アスペルガー症候群

F84.8 他の広汎性発達障害

F84.9 広汎性発達障害,特定不能のもの

 

F88 他の心理的発達の障害

F89 特定不能の心理的発達の障害

 

F90 BEHAVIOURAL AND EMOTIONAL DISORDERS WITH ONSET USUALLY OCCURRING IN CHILDHOOD AND ADOLESCENCE –F98

 小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害

F90 多動性障害 ※※

F90.0 活動性および注意の障害

F90.1 多動性行為障害

F90.8 他の多動性障害

F90.9 多動性障害,特定不能のもの

※※ 筆者注)注意欠陥多動性障害(ADHD)にほぼ対応する分類

F91 行為障害

F91.0 家庭内に限られる[家庭限局性]行為障害

F91.1 非社会性[非社会型][グループ化されない]行為障害

F91.2 社会性[社会型][グループ化された]行為障害

F91.3 反抗挑戦性障害

F91.8 他の行為障害

F91.9 行為障害,特定不能のもの

 

F92 行為及び情緒の混合性障害

F92.0 抑うつ性行為障害

F92.8 他の行為および情緒の混合性障害

F92.9 行為および情緒の混合性障害,特定不能のもの

 

F93 小児期に特異的に発症する情緒障害

F93.0 小児期の分離不安障害

F93.1 小児期の恐怖症性不安障害

F93.2 小児期の社会性[社交]不安障害

F93.3 同胞葛藤性[抗争]障害

F93.8 他の小児期の情緒障害

F93.9 小児期の情緒障害,特定不能のもの

 

F94 小児期および青年期に特異的に発症する社会的機能の障害

F94.0 選択性緘黙

F94.1 小児期の反応性愛着障害

F94.2 小児期の脱抑制性愛着障害

F94.8 他の小児期の社会的機能の障害

F94.9 小児期の社会的機能の障害,特定不能のもの

 

F95 チック障害

F95.0 一過性チック障害

F95.1 慢性運動性あるいは音声チック障害

F95.2 音声性および多発運動性の合併したチック障害(ド・ラ・トゥーレット症候群)

F95.8 他のチック障害

F95.9 チック障害,特定不能のもの

 

F98 通常小児期および青年期に発症する他の行動および情緒の障害

F98.0 非器質性遺尿症

F98.1 非器質性遺糞症

F98.2 乳幼児期及び小児期の哺育障害

F98.3 乳幼児期及び小児期の異食症

F98.4 常同性運動障害

F98.5 吃音[症]

F98.6 早口[乱雑]言語症

F98.8 他の小児期および青年期に通常発症する特異的な行動と情緒の障害

F98.9 小児期および青年期に通常発症する特定不能の行動と情緒の障害

以上、F98までを発達障害とする。

 

 これらのリストが「通知」では、“ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)における「心理的発達の障害(F80−F89)」及び「小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F90-F98)」に含まれる障害である”と簡略に書かれていたわけです。

 

 その大本のICDが11版になるのですが、その概略はすでにベーター版として公表されています。主な変更点をあげると次のようになります。

 「心理的発達の障害」という大分類は無くなり、その多くは「神経発達障害」となります。その中には、知的障害が第一に入り、自閉症スペクトラム障害(ASD)、局限性学習障害(LD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、チック、吃音などが入ります。「小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F90-F98)」という大分類も無くなり、愛着障害や選択性緘黙は大人の不安症などと一緒になって「不安症群」という大分類の中に入ります。以前はADHDに近い位置だったのですが、ADHDは「神経発達障害」の方へ引っ越して、愛着障害や選択性緘黙は、別の分類へ引っ越したという事です。

もちろん、これらの動きを厚生労働省の方は把握しています。その上で、改定の時に、どの障害を残し、どの障害を削るかを検討しているのだと想像されます。

 「神経発達障害」に残っている吃音の当事者の方が心配しているのに、そこから外れた場面緘黙の方々が心配しないはずはありません。

 

英文の機械翻訳ですが、ICD-11のベーター版(完成版の一つ前の版)を以下にあげます。

 

ICD-11ベータドラフト - 死亡率と罹患率統計     

                       

        01 特定の感染症または寄生虫性疾患            

        02 新生物                 

        03 血液または造血器官の病気                      

        04 免疫系の病気                   

        05 内分泌、栄養または代謝疾患                   

        06 精神的、行動的または神経発達障害                    

                   神経発達障害  

                              6A00 知的発達の障害  

                              6A01 発達発話または言語障害  (ここに吃音が含まれる)

                              6A02 自閉症スペクトル障害  

                              6A03 発達性学習障害(LD)

                              6A04 発達中の運動協調障害  

                              6A05 一次チックまたはチック障害  

                              6A06 注意欠如多動性障害  (ADHD)

                              6A07 定型運動障害  

                              6F00 二次神経発達症候群  

※   YとZはその他ですので、以下省略。また、説明上重要でないと思われる部分も省略して書きます。( )は久田の注です。

 

                   統合失調症または他の原発性精神病性障害     

                   Catatonia  (緊張病)          

                   気分障害  (躁病、うつ病)   

                   不安または恐怖関連障害        

                              6B20 全般性不安障害  

                              6B21 パニック障害  

                              6B22 広場恐怖症  

                              6B23 特定の恐怖症  

                              6B24 社会的不安障害  (場面緘黙に併発しやすい)

                              6B25 分離不安障害   (ここにも注目)

                              6B26 選択性緘黙(機械翻訳がひどいので旧来の訳をいれた:原語がかわったので、「場面緘黙」へと訳語も変えてほしい)

                              物質誘発不安障害  

                              6B43 心気症(身体症状を多く訴える)

                              6F03 二次性不安症候群  

                   強迫神経症または関連障害     

                   ストレスに関連した障害        

                   解離性疾患     

                   摂食障害または摂食障害        

                   排泄障害  (遺糞、遺尿なども)

                   身体的苦痛または身体的経験の障害    

                   物質の使用または中毒性の行動による障害     

                   衝動調節障害  

                   破壊的な行動や社会的障害     

                              6D10 反抗挑戦性障害  

                              6D11 行動 - 妄想障害  

                   人格障害および関連形質        

                   パラフィリア  

                   虚偽性障害     

                   神経認知障害  

                   妊娠、出産および産褥に関連する精神または行動障害

(以下略)

 国際疾病分類(ICD)はWHOの分類であるため、日本の法律などの用語に大きな影響があります。アメリカ精神医学会の分類であるDSM-5よりも法律や制度に大きな影響があります。

 

 もし「神経発達障害」だけが残るとすると、いろいろ問題があると思います。特に、場面緘黙は、やっと発達障害として注目されるようになりましたので、この段階で外されるのはかなり厳しいと思います。愛着障害などについても同じだと思います。

 選択性緘黙でなく、場面緘黙と言う訳語にして頂くことを求めるだけでなく、発達障害者支援法の対象として残すことを強く求める必要があると思います。

 

関連の質問を受け付けています。hisata@psychoreha.org 宛にお寄せください。

 

文責 緘黙研究会 久田信行

2018/2/25 Ver.1.1

Ver.1.1 最初の説明文に加筆 2/26

 

自立活動・インクルージョン・動作法

  • 2017.12.14 Thursday
  • 23:38

JUGEMテーマ:学問・学校

 

 自立活動の議論が大事だと思っています。2012年、5年前に、富山で講演し、次のような話題を語ったことがあります。これらは、別々の事柄ではなく、相互に関連していることを語りました。研修の8頁の講演録です。

  inclusion
  障害者の権利条約
  就学支援
  自立活動
  動作法

 

 教育課程の改定、それに伴う自立活動の改定がありました。中身はほとんど変わりませんでしたが、実施の仕方については大幅に改定され、ずいぶん良くなったと思います。

 そのような時に、5年前のものですが、自立活動を考えるうえで、この記事を話題として出しますので、ご意見を頂戴できると有難いです。

 

 私のホームページ https://mon.psychoreha.org/ から、「記事3 動き自立活動など」 をクリックしていただくか、直接 https://mon.psychoreha.org/tsk/ugoki.pdf をご覧いただくかすると、講演録が出てきます。

 

 この機会に、自立活動についていろいろ思っていただけたり、できれば、コメントにご意見やご批判を書いて頂けますと有難いです。感想も歓迎です。

 

 

「インクルーシブ教育を受ける権利に関する一般的意見第4号(2016年)」2

  • 2017.12.06 Wednesday
  • 09:40

JUGEMテーマ:学問・学校

 

国連 障害者権利委員会のインクルーシブ教育への意見http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/rightafter/crpd_gc4_2016_inclusive_education.html より抜粋

 

 

.条約の他の条項との関係

 ここでは、第24条だけでなく、障害者の権利条約の他の条文や、子どもの権利条約など他の条約との関連を示している。第24条だけに注目しがちな今日の教育界へ、適切な助言をしていると思われる。例えば移動について以下のように書かれている。

 

53.インクルーシブ教育が効果的に実現されるためには、障害のある人は自立を基礎とした個人の移動を保障されなければならない(第20条)。交通機関がすぐには利用できない場合、また、教育機関へのアクセスを支援してくれるパーソナルアシスタントがいない場合、障害のある人、特に全盲及び弱視の人は、さらなる自立を促進するために、移動のための技能に関する適切な研修を提供されなければならない。締約国はまた、障害のある人に、移動補助具及び移動支援機器を負担しやすい費用で入手する機会も提供するべきである。

 

.国レベルでの実施

 

63.インクルーシブ教育に関する総合的かつ分野を超えた法的及び政策的枠組みが、明確かつ適切な実施期限並びに違反に対する制裁措置とともに導入されなければならない。このような枠組みは、すべての学習者のためのあらゆる教育機関における柔軟性、多様性及び平等の問題に取り組み、政府のあらゆるレベルにおける責任を明らかにするものでなければならない。重要な要素として、以下があげられる。

 (a)国際人権基準とのコンプライアンス。

 (b)インクルージョンの明確な定義と、インクルージョンがあらゆる教育段階において達成しようとしている具体的な目的。インクルージョンの原則と実践は、単なる追加プログラムではなく、改革に不可欠なものと見なされなければならない。

 (c)法的枠組みの重要な要素としての、インクルーシブ教育を受ける実体的権利。たとえば、特定のカテゴリーの生徒を「教育不可能」と定義した規定は撤廃しなければならない。

 (d)障害のある生徒と障害のない生徒で同一の、一般的な教育制度の中でインクルーシブな学習機会を享受する権利、及び個々の学習者があらゆる段階において必要な支援サービスを享受する権利の保障。

 (e)委員会の一般的意見第2号 に従い、既存の学校を適合させる期限を示すとともに、すべての新規の学校の、ユニバーサルデザインの原則とアクセシビリティ基準に従った設計と建築を義務付けること。この要素を実施するために公共調達の活用が奨励される。

 (f)あらゆる段階における実施の進捗状況を追跡し、政策及びプログラムの実施と、必要な投資による支援を確保するための、インクルーシブ教育及び障害インクルーシブな監視の仕組みに関する総合的で質の高い基準の導入。

 (g)政策の実施と必要な投資の提供を確保するためのアクセシブルな監視の仕組みの導入。

 (h)資源の効率的な使用ではなく人権基準に基づいた、インクルージョンを支援するための合理的配慮のニーズの認識と、合理的配慮の不提供に対する制裁措置。

 (i)インクルーシブ教育に影響を与える可能性のあるあらゆる法律における、インクルージョンは具体的な目的だという明確なステートメント。

 (j)障害のある人がインクルーシブな学習環境で活躍できるようにするために必要な、早期発見、アセスメント及び支援のための首尾一貫した枠組み。

 (k)地方自治体が、障害のある人を含むすべての学習者のために、インクルーシブな環境と教室において、最も適当な言語によるものを含む、意思疎通のアクセシブルな様式、形態及び手段を計画し、提供する義務。

 (l)障害のある児童を含む障害のあるすべての人に対し、学校評議会、理事会、地方及び中央政府、並びに教育に関する異議申立や上訴を行う仕組みを含む教育制度内で、意見を聴かれ、自己の意見を相応に考慮される権利を保障する法律。

 (m)障害のある人を代表する団体、各種機関、開発組織、非政府組織及び親や養育者など、障害のある人を含むすべてのステークホルダー間のパートナーシップと連携の構築。

 

70.委員会は締約国に対し、分離型の環境からインクルーシブな環境へ、資源を移行することを強く求める。締約国は、障害のある人に必要な支援を提供するために、インクルーシブな教育環境に資源とインセンティブを割り当てる資金調達モデルを開発するべきである。資金調達への最適なアプローチの決定においては、既存の教育環境と、その影響を受ける可能性がある障害のある学習者のニーズが大いに参考になるだろう。

 

71(前略)教員教育の中核となる内容は、人間の多様性、成長と発達、障害の人権モデルと、インクルーシブな教育環境への生徒の参加を確保するために教員が生徒の機能的能力(強み、能力及び学習スタイル)を特定できるようなインクルーシブな指導法に対する基本的な理解に取り組むものでなければならない。教員教育には、点字、大活字、アクセシブルなマルチメディア、読みやすく、やさしい言語、手話やろう文化など、適当な意思疎通の補助的及び代替的な形態、手段及び様式の使用と、障害のある人を支援する教育技術と教材に関する学習を含めるべきである。さらに、教員は特に、個別指導の提供、それぞれの学習スタイルと独自の能力に対応するためにさまざまな指導方法を用いて行われる同一内容の指導、特定の学習ニーズを支援するための個別教育計画の策定とその使用、生徒の教育目的に重点を置いた指導方法の導入について、実践的なガイダンスと支援を必要としている。

 

仮訳:石川ミカ、日本障害者リハビリテーション協会 / 監訳:長瀬修

 

国連 障害者権利委員会のインクルーシブ教育への意見 1

  • 2017.11.24 Friday
  • 00:38

 昨年のことですが、国連の障害者権利委員会から教育に関する下記の意見が公表されています。この文書では、国連全体の目標である「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(国連 持続的開発目標;SDGs)への言及がところどころ見られ、時代とともに変化していることが伺われます。中教審初等中等教育部会の報告(平成27年)とところどころ違っている点があり、今後調整が必要なのかもしれません。

 差別解消法やインクルーシブ教育を考えるうえで示唆に富みますので、その一部を抜粋し2回に分けて掲載いたします。

 

「インクルーシブ教育を受ける権利に関する一般的意見第4号(2016年)」1

http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/rightafter/crpd_gc4_2016_inclusive_education.html より抜粋

 

障害者の権利条約第24条(教育)の解釈は、改めて、この文書に書かれている方向で行われる必要があると思います。例えば、以下のように書かれています。

 

.第24条の規範的内容

16.第24条(1)(b)の実施に向けて、教育は、障害のある人の人格、才能及び創造力並びに精神的、身体的及びコミュニケーション能力を、その可能な最大限度まで発達させることに向けられるべきである。障害のある人の教育では、欠陥を埋めるアプローチと、実際にある機能障害や認識されている機能障害、そして、潜在能力に対する暗黙の否定的な思い込みによる機会制限が、あまりに注目されすぎている。締約国は、障害のある人それぞれの独自の強みと才能を生かす機会の創出を支援しなければならない。

 

18.第24条(2)(a)の実施に向けて、障害のある人の一般的な教育制度からの排除は、個人の潜在能力の程度をインクルージョンの条件とすることや、合理的配慮の提供の義務から逃れるために、均衡を失した過度の負担を主張することなど、機能障害またはその機能障害の程度に基づきインクルージョンを制限する何らかの法的または規制的条項による排除も含めて、禁止されるべきである。一般的な教育とは、すべての通常の学習環境と教育部門を意味する。直接的な排除は、特定の生徒を「教育不可能」であり、それゆえ、教育を受ける資格がないとして分類することだと言える。間接的な排除は、合理的配慮や支援なしに、入学条件として共通試験への合格という要件を課すことだと言える。

 

35には、以下の記述もあり、場面緘黙児や吃音児等についても十分配慮する必要がある。

 (e)社会コミュニケーションの困難がある学習者は、ペア活動、ピア・チュータリング、教師の近くの座席、構造化された予測可能な環境の創造を含む、学級編成の適切な調整を通じて支援されなければならない。

 

.締約国の義務 

41.漸進的な実現は、即時に適用可能な義務に影響を及ぼすものではない。経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会が締約国の義務の性格に関する一般的意見第3号(1990年)で述べているように、締約国は、最低でも、教育を受ける権利の各側面の最低限の不可欠なレベルの充足を確保する、最低限の中核的義務を有する。それゆえ、締約国は、以下の中核的権利を直ちに実施するべきである。(注15)

 (a) 教育のあらゆる側面における、すべての国際的に禁じられている差別の理由を網羅した無差別。締約国は、障害のある人の教育からの排除をなくし、障害のあるすべての人の効果的な参加と平等の実現を阻む構造的な不利を撤廃すること確保しなければならない。そして、インクルーシブ教育を享受する権利を妨げる、あらゆる法的、行政的及びその他の形態の差別を撤廃するための対策を緊急にとらなければならない。積極的差別是正措置の採用は、そのような措置が、別の集団にとって不平等な、または、別個の基準を維持することへとつながらない限り、教育に関する無差別の権利の侵害にはならない。

 (b) 障害のある人の教育からの排除をなくすことを確保するための合理的配慮。合理的配慮の不提供は、障害を理由とした差別となる。

 (c) すべての人が利用可能な、義務的な、無償の初等教育。締約国は、インクルージョンを基本として、障害のあるすべての児童及び若者に対し、当該権利を保障するためのあらゆる適当な措置をとらなければならない。委員会は締約国に対し、「教育2030行動枠組み」 に概要が述べられているように、すべての児童及び若者のための、最低12年間の、無償の、公的資金による、インクルーシブかつ公正な質の高い初等及び中等教育で、そのうち少なくとも9年間は義務教育である、質の高い教育を享受する機会とその修了、並びに、不就学の児童及び若者のための、さまざまな様式による質の高い教育を享受する機会を確保することを強く要請する。

平成29年度の全国学力・学習状況調査の学力成績の偏差値

  • 2017.09.10 Sunday
  • 11:28

JUGEMテーマ:学問・学校

 

平成29年度の全国学力・学習状況調査の学力成績から偏差値を求めました。


https://mon.psychoreha.org/tsk/link01.html


に、平成28年度の結果へのリンクとともに掲載しています。

 

  全国学力・学習状況調査の結果に一喜一憂している学校も多いかと思います。順位や全国平均からの得点差が気になる教育委員会が多いと思います。新聞でも、わが県が低いなど、気になる形で記事になっています。しかし、それらの差は意味があるのでしょうか?

 全国学力・学習状況調査の成績は、得点と合格率で示されています。科目ごとに出題数も違うし、平均値と標準偏差(得点のばらつき具合の尺度)は示されていますが、比較しにくい形で示されています。数年前に、これらの得点から偏差値を計算して比較することにしました。その意図は、本当に県別の差は意味があるのかどうか調べたかったからです。

 上記のリンクに私のホームページの資料集が示されています。そこには、平成28年度と29年度の偏差値に計算しなおした結果が示されています。
 どちらの偏差値も、全国規模で比較すると、日本で規格化された義務教育は全国津々浦々で差が無いレベルになっていることを示しています。このことは、問題も含まれてはいますが、義務教育の大きな成果の一つとはいえるでしょう。


 しかし、この調査の報告書の細かなデータを見ると、それぞれの県の得点分布には大きな幅があります。学年相当の学力がある子もいれば、2学年分以上遅れている子もいるというのが現状です。
 全国平均や他県との差に汲々とするよりも、市内、校内での学力の差を重視して、だれもが其々の現状から学習・発達できることを目指す方が生産的だと思います。

特別支援学校教諭免許状 全員保有への通知 旧聞ですが・・・

  • 2017.06.11 Sunday
  • 15:17

JUGEMテーマ:学問・学校

 2020年までに免許の保有率を100%にするという目標を文科省が掲げているのは新聞などで見ていましたが、学芸大のサイトに平成26年3月に出された通知があるのを知りました。

 今頃何なのと言われそうですが、私みたいに正確には知らなかった人もいるのでは無いかと、引用することにしました。

 特別支援学校の先生方だけでなく、ひろく免許の取得を進めるようにと書いてあることに驚きました。認定講習が増える訳です。

 

 

                                                                  25初特支第32号
                                                                 平成26年3月31日
各都道府県教育委員会特別支援教育主管課長
各都道府県教育委員会人事主管課長
特別支援学校を置く各指定都市教育委員会特別支援教育主管課長
殿特別支援学校を置く各指定都市教育委員会人事主管課長
附属特別支援学校を置く各国立大学法人学長
各私立特別支援学校事務担当課長

                                        文部科学省初等中等教育局特別支援教育課長
                                                                    大 山 真 未
                                                                  
                                 文部科学省初等中等教育局教職員課長
                                                                     口  努
                                                                  
                 平成25年度特別支援学校教員の特別支援学校教諭等
                    免許状保有状況等調査の結果について(送付)

 

 平成26年1月9日付25初特支第20号で依頼しました標記の調査について、調査
結果が取りまとまりましたので、別添のとおり送付します。
 貴機関におかれては、以下の事項に御留意しつつ、特別支援学校教諭等免許状保有者
の特別支援学校への採用・配置、同免許状を保有しない特別支援学校教員に対する免許
法認定講習の受講促進など、計画的な同免許状保有率向上の取組を進め、特別支援学校
教員の専門性向上に引き続き努められますようお願いいたします。
 なお、本調査結果については、特別支援学校教諭免許状の認定課程を有する大学等に
も送付していることを申し添えます。

 

                                      記

 

1.採用、配置、研修(免許法認定講習等)を通じた特別支援学校教諭等免許状保有率
向上を中期計画などに位置付け、計画的な保有率の向上に努めていただきたいこと。
その際、特別支援学校教諭等免許状の認定課程を有する大学等と連携しながら取組
を進めるよう努めていただきたいこと。

 

2.特別支援学校の教員の採用や配置に当たっては、特別支援学校教諭等免許状の保有
を前提とするよう努めていただきたいこと。同免許状を保有せずに特別支援学校に勤
務することとなった教員には、可能な限り早期に保有させるなどの方針を教育委員会
等が明確に示し、必要な環境整備や免許法認定講習等が最優先で受けられるような配
慮をお願いしたいこと。
  受講に当たっては、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所における長期研修、
近隣の大学や教育委員会における免許法認定講習、放送大学などの通信制大学等の活
用も含め、受講機会の拡大に努めていただきたいこと。

 

3.免許法認定講習と免許状更新講習は、互いに認定を受けることができるため、教育
委員会の実施する認定講習については免許状更新講習としても申請し、特別支援学校
教諭等免許状の取得に向けた効率的な受講に配慮いただきたいこと。(別紙2参照)

 

4.特別支援学校教員の特別支援学校教諭等免許状の保有を促進するとともに、各種研
修の受講機会の拡大等により専門性の向上に努めていただきたいこと。

 

5.小・中学校の特別支援学級や通級による指導を担当する教員についても、特別支援
教育の専門性の向上に資する各種研修の受講機会の拡大や特別支援学校教諭等免許状
の取得の奨励に努めていただきたいこと。

 

6.特別支援学校への勤務が考えられる小・中・高等学校等の教員についても、特別支
援学校教諭等免許状を保有することが特別支援学校教員の特別支援学校教諭等免許状
保有率向上に資することから、免許法認定講習等の受講に努めていただきたいこと。

 

7.発達障害の可能性のある児童生徒の多くが通常の学級に在籍している小・中・高等
学校等の教員についても、特別支援学校教諭免許状取得のための科目(例えば、特別支
援教育の基礎理論に関する科目(第1欄)や重複障害・LD等教育に関する科目(第3欄)
など)を受講することは有効な研修の機会となること。

 

8.今回、特別支援学校教諭等免許状保有率向上に積極的に取り組んでいる教育委員会
に提供いただいた具体的な取組事例を紹介しているので、参考にしていただきたいこ
と。(別紙3参照)

                            【本件連絡先】
                            文部科学省初等中等教育局
                        特別支援教育課指導係(堀江、小坂)
                           <以下連絡先>

 

詳しくは、学芸大の資料の5,6ページです。

 

 

群馬ニーズ教育研究会 例会

  • 2017.06.09 Friday
  • 10:59

JUGEMテーマ:学問・学校

群馬ニーズ教育研究会

  6月の研究会は6月13日(火)に開催します。 
  できれば、初心者のかかわり方に関する話題を取り上げたいと存じます。 
  また、差別解消法への対処などについても話題にすると思います。 
  事例を抱えている方、優先しますので、是非、ふるってご参加下さい。 
   
                 記 
 
     場所 群馬医療福祉大学 前橋キャンパス 
  
     住所 〒371-0823 群馬県前橋市川曲町191-1 
     会場 2号館2階222教室(門を入ってすぐの建物) 
         (校内図はお返事のメールに添付する予定です。)      
     日時 2017年6月13日(火) 19時〜20時30分 
     (警備上、21時以降の使用禁止) 
 
     
 ※土足禁止ですので、スリッパ・上履き等、恐れ入りますがご持参下さい。 
      
 ※ご参加頂ける方、6月12日(月)までに、 hisata@psychoreha.org 
へメールを頂けますと幸いです。 会員以外の方も参加できます。 
 お誘い合わせの上、おいで下さい。

                    群馬医療福祉大学  久田信行

 

次期 学習指導要領の自立活動について

  • 2017.06.05 Monday
  • 00:22

JUGEMテーマ:学問・学校

 自立活動に1つの項目が増え、3つの項目の説明がやや詳しい文章に改定されました。

 新に加わった項目について余り情報が無い状態です。普通、あまり目にしない情報だと思いますが、新しい制度が提案されるときに、一般の意見を徴してから決定するという手続き(パブリックコメント:略して「パブコメ」)が取られています。今回の学習指導要領改訂でもパブコメがあり、その結果も公表されています。

 

 平成29年4月28日に学習指導要領のパブリックコメント(詳しくは、「特別支援学校幼稚部教育要領案,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領案に対する意見公募手続き(パブリックコメント)の結果について」)が出ました。
 回答の一部、私が注目した点について以下に挙げます。

 

意見番号4 {学習指導要領の示し方}社会モデルの考え方をより重視せよとの意見に対する回答で、「また,障害の捉え方については,世界保健機関(WHO)が発表した「国際生活機能分類(ICF)」を踏まえ,生活機能や障害,環境因子を考慮することが求められていることから,現行の特別支援学校学習指導要領解説自立活動編の中でも紹介してきたところであり,ICFの視点についても引き続き周知を図ってまいります。」と書かれています。

 

意見番号11{総則}交流と共同学習の違いを示すべきだという意見に対する回答で、「御指摘のとおり,障害のある子供と障害のない子供が一緒に参加する活動は,相互の触れ合いを通じて豊かな人間性を育むことを目的とする交流の側面と,教科等のねらいの達成を目的とする共同学習の側面があるものと考えております。交流及び共同学習とは,このように両方の側面が一体としてあることを現行の学習指導要領の解説によりすでに明確に表しておりますが,(後略)」と両者に違いがあることを示しつつ、一体のものとして扱うと書かれています。

 

意見番号27{自立活動}「1 健康の保持」「(4)障害の特性の理解と生活環境の調整に関すること。」が規定された意義,規定される場所について。(新しい項目を加える必要があったのか?入れるとして、健康の保持よりも心理的安定なのではないのか?という意見)に対する回答で、「当該規定は,自己の障害にどのような特性があるのかを理解し,それが及ぼす学習上又は生活上の困難についての理解を深め,その状況に応じてより学習や生活をしやすい環境にしていくことを意味しています。・・・発達障害などについての理解が「病気の理解」に含まれにくいことなど,特別支援学校だけではなく,小・中学校の特別支援学級や通級による指導で学ぶ児童生徒の実態を踏まえ,新たに規定したものです。」と書かれています。
 1健康の保持の「(2)病気の状態の理解と養護に関すること」に含まれにくいことは理解出来ますが、2.心理的な安定の「(3)障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する意欲に関すること」や4.環境の把握「(2)感覚や認知の特性への対応に関すること」の二つに「特性」に関することが書かれており、健康の保持というより、心理的安定に加えるという選択もあったのではないでしょうか。

 いずれにせよ、いわゆる「特性」について少なくとも3つの項目が関与している事は知っておく方が良いでしょう。ただし、特性(ややもすると症状の部分になりがち)を重視するよりも、人として共通にもっている様々な機能を伸ばすことが教育の主務だという意識を持っていたいと改めて思いました。

 

<追加:以前ここに書いた内容の再掲>6月6日

 私のホームページに臨時で新旧対照表を掲載していますので、ご覧ください。(私の確認なので、漏れがあるかも知れませんので悪しからず)
https://mon.psychoreha.org/tsk/newjiritsu.pdf

 

  

研修講座「場面緘黙の理解と支援」開催のお知らせ

  • 2017.06.04 Sunday
  • 14:47

7月1日(土) 兵庫県尼崎市で日本緘黙研究会の研修会が開催されます。只今、申し込み受付中です。

 

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