通級でも自立活動と個別の指導計画を作成します

  • 2018.10.27 Saturday
  • 17:41

 

JUGEMテーマ:学問・学校

 小学校学習指導要領総則

 

 連続講座の議論の中で、通級でも個別の指導計画を作成する義務があるか否か議論になりました。以前は努力するという風に書かれていたが、今回の改定ではどうなのか議論しました。その後、関連部分を確認してみました。

 通級による指導における自立活動や個別の指導計画に関連する部分を少し長いのですが、抜き書きしました。

 結論から言うと、特別支援学級だけでなく、通級による指導においても自立活動を重視し、個別に指導計画を作成しなければならないと規定されました。

 自立活動の個別の指導計画については特別支援学校の先生方が詳しいので、通常の小中学校では、特別支援学校のセンター的機能を活用して、個別の指導計画を作成することになると思います。この作成の仕方は、新しい学習指導要領で、以前より格段に詳しく規定されていますので、その理解を深める必要があります。

 

小学校学習指導要領解説 p.106

 学校教育法第81条第1項では,幼稚園,小学校,中学校,高等学校等において,障害のある児童生徒等に対し,障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うことが規定されている。

 また,我が国においては,「障害者の権利に関する条約」に掲げられている教育の理念の実現に向けて,障害のある児童の就学先決定の仕組みの改正なども踏まえ,通常の学級にも,障害のある児童のみならず,教育上特別の支援を必要とする児童が在籍している可能性があることを前提に,全ての教職員が特別支援教育の目的や意義について十分に理解することが不可欠である。

 そこで,今回の改訂では,特別支援教育に関する教育課程編成の基本的な考え方や個に応じた指導を充実させるための教育課程実施上の留意事項などが一体的に分かるよう,学習指導要領の示し方について充実を図ることとした。

 

p.108

特別支援学級における特別の教育課程(第1章第4の2の (1) のイ)

イ 特別支援学級において実施する特別の教育課程については,次のとおり編成するものとする。

(ア) 障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るため,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動を取り入れること。

(イ) 児童の障害の程度や学級の実態等を考慮の上,各教科の目標や内容を下学年の教科の目標や内容に替えたり,各教科を,知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校の各教科に替えたりするなどして,実態に応じた教育課程を編成すること。

 

p.109

自立活動の内容は,各教科等のようにその全てを取り扱うものではなく,個々の児童の障害の状態等の的確な把握に基づき,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な項目を選定して取り扱うものである。よって,児童一人一人に個別の指導計画を作成し,それに基づいて指導を展開する必要がある。

 

p.110

 通級による指導における特別の教育課程(第1章第4の2の (1) のウ)

ウ 障害のある児童に対して,通級による指導を行い,特別の教育課程を編成する場合には,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動の内容を参考とし,具体的な目標や内容を定め,指導を行うものとする。その際,効果的な指導が行われるよう,各教科等と通級による指導との関連を図るなど,教師間の連携に努めるものとする。

 

p.111

今回の改訂では,通級による指導を行い,特別の教育課程を編成する場合について,「特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動の内容を参考とし,具体的な目標や内容を定め,指導を行うものとする。」という規定が新たに加わった。したがって,指導に当たっては,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動の6区分27項目の内容を参考とし,本解説第3章第4節の2(1) で述べたとおり,児童一人一人に,障害の状態等の的確な把握に基づいた自立活動における個別の指導計画を作成し,具体的な指導目標や指導内容を定め,それに基づいて指導を展開する必要がある。

 

p.112

通級による指導の内容について,各教科の内容を取り扱う場合であっても,障害による学習上又は生活上の困難の改善又は克服を目的とする指導であるとの位置付けが明確化されたところである。

ぁ仝鎚未龍軌藥抉膩弉茲個別の指導計画の作成と活用(第1章第4の2の(1) のエ)

エ 障害のある児童などについては,家庭,地域及び医療や福祉,保健,労働等の業務を行う関係機関との連携を図り,長期的な視点で児童への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成し活用することに努めるとともに,各教科等の指導に当たって,個々の児童の実態を的確に把握し,個別の指導計画を作成し活用することに努めるものとする。特に,特別支援学級に在籍する児童や通級による指導を受ける児童については,個々の児童の実態を的確に把握し,個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し,効果的に活用するものとする。

 

p.113

 個別の教育支援計画及び個別の指導計画は,障害のある児童など一人一人に対するきめ細やかな指導や支援を組織的・継続的かつ計画的に行うために重要な役割を担っている。

 今回の改訂では,特別支援学級に在籍する児童や通級による指導を受ける児童に対する二つの計画の作成と活用について,これまでの実績を踏まえ,全員について作成することとした。

 また,通常の学級においては障害のある児童などが在籍している。このため,通級による指導を受けていない障害のある児童などの指導に当たっては,個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成し,活用に努めることとした。

 

p.114

通常の学級に在籍する障害のある児童などの各教科等の指導に当たっては,適切かつ具体的な個別の指導計画の作成に努める必要がある。

 特別支援学級における各教科等の指導に当たっては,適切かつ具体的な個別の指導計画を作成するものとする。

 

 なお,通級による指導において,特に,他校において通級による指導を受ける場合には,学校間及び担当教師間の連携の在り方を工夫し,個別の指導計画に基づく評価や情報交換等が円滑に行われるよう配慮する必要がある。

  各学校においては,個別の教育支援計画と個別の指導計画を作成する目的や活用の仕方に違いがあることに留意し,二つの計画の位置付けや作成の手続きなどを整理し,共通理解を図ることが必要である。また,個別の教育支援計画及び個別の指導計画については,実施状況を適宜評価し改善を図っていくことも不可欠である。

 

p.115

学校運営上の特別支援教育の位置付けを明確にし,学校組織の中で担任する教師が孤立することのないよう留意する必要がある。このためには,校長のリーダーシップのもと,学校全体の協力体制づくりを進めたり,全ての教師が二つの計画についての正しい理解と認識を深めたりして,教師間の連携に努めていく必要がある。

 

p.185 

付録2 第4 児童の発達の支援

2 特別な配慮を必要とする児童への指導

(1) 障害のある児童などへの指導

ア 障害のある児童などについては,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,個々の児童の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。

イ 特別支援学級において実施する特別の教育課程については,次のとおり編成するものとする。

(ア) 障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るため,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動を取り入れること。

(イ) 児童の障害の程度や学級の実態等を考慮の上,各教科の目標や内容を下学年の教科の目標や内容に替えたり,各教科を,知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校の各教科に替えたりするなどして,実態に応じた教育課程を編成すること。

ウ 障害のある児童に対して,通級による指導を行い,特別の教育課程を編成する場合には,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動の内容を参考とし,具体的な目標や内容を定め,指導を行うものとする。その際,効果的な指導が行われるよう,各教科等と通級による指導との関連を図るなど,教師間の連携に努めるものとする。

エ 障害のある児童などについては,家庭,地域及び医療や福祉,保健,労働等の業務を行う関係機関との連携を図り,長期的な視点で児童への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成し活用することに努めるとともに,各教科等の指導に当たって,個々の児童の実態を的確に把握し,個別の指導計画を作成し活用することに努めるものとする。特に,特別支援学級に在籍する児童や通級による指導を受ける児童については,個々の児童の実態を的確に把握し,個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し,効果的に活用するものとする。

 

p.255

第5 特別な配慮を必要とする幼児への指導

1 障害のある幼児などへの指導

  障害のある幼児などへの指導に当たっては,集団の中で生活することを通して全体的な発達を促していくことに配慮し,特別支援学校などの助言又は援助を活用しつつ,個々の幼児の障害の状態などに応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。また,家庭,地域及び医療や福祉,保健等の業務を行う関係機関との連携を図り,長期的な視点で幼児への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成し活用することに努めるとともに , 個々の幼児の実態を的確に把握し,個別の指導計画を作成し活用することに努めるものとする。

2 海外から帰国した幼児や生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児の幼稚園生活への適応  海外から帰国した幼児や生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児については,安心して自己を発揮できるよう配慮するなど個々の幼児の実態に応じ,指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。(以上)

 

 

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