「インクルーシブ教育を受ける権利に関する一般的意見第4号(2016年)」2

  • 2017.12.06 Wednesday
  • 09:40

JUGEMテーマ:学問・学校

 

国連 障害者権利委員会のインクルーシブ教育への意見http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/rightafter/crpd_gc4_2016_inclusive_education.html より抜粋

 

 

.条約の他の条項との関係

 ここでは、第24条だけでなく、障害者の権利条約の他の条文や、子どもの権利条約など他の条約との関連を示している。第24条だけに注目しがちな今日の教育界へ、適切な助言をしていると思われる。例えば移動について以下のように書かれている。

 

53.インクルーシブ教育が効果的に実現されるためには、障害のある人は自立を基礎とした個人の移動を保障されなければならない(第20条)。交通機関がすぐには利用できない場合、また、教育機関へのアクセスを支援してくれるパーソナルアシスタントがいない場合、障害のある人、特に全盲及び弱視の人は、さらなる自立を促進するために、移動のための技能に関する適切な研修を提供されなければならない。締約国はまた、障害のある人に、移動補助具及び移動支援機器を負担しやすい費用で入手する機会も提供するべきである。

 

.国レベルでの実施

 

63.インクルーシブ教育に関する総合的かつ分野を超えた法的及び政策的枠組みが、明確かつ適切な実施期限並びに違反に対する制裁措置とともに導入されなければならない。このような枠組みは、すべての学習者のためのあらゆる教育機関における柔軟性、多様性及び平等の問題に取り組み、政府のあらゆるレベルにおける責任を明らかにするものでなければならない。重要な要素として、以下があげられる。

 (a)国際人権基準とのコンプライアンス。

 (b)インクルージョンの明確な定義と、インクルージョンがあらゆる教育段階において達成しようとしている具体的な目的。インクルージョンの原則と実践は、単なる追加プログラムではなく、改革に不可欠なものと見なされなければならない。

 (c)法的枠組みの重要な要素としての、インクルーシブ教育を受ける実体的権利。たとえば、特定のカテゴリーの生徒を「教育不可能」と定義した規定は撤廃しなければならない。

 (d)障害のある生徒と障害のない生徒で同一の、一般的な教育制度の中でインクルーシブな学習機会を享受する権利、及び個々の学習者があらゆる段階において必要な支援サービスを享受する権利の保障。

 (e)委員会の一般的意見第2号 に従い、既存の学校を適合させる期限を示すとともに、すべての新規の学校の、ユニバーサルデザインの原則とアクセシビリティ基準に従った設計と建築を義務付けること。この要素を実施するために公共調達の活用が奨励される。

 (f)あらゆる段階における実施の進捗状況を追跡し、政策及びプログラムの実施と、必要な投資による支援を確保するための、インクルーシブ教育及び障害インクルーシブな監視の仕組みに関する総合的で質の高い基準の導入。

 (g)政策の実施と必要な投資の提供を確保するためのアクセシブルな監視の仕組みの導入。

 (h)資源の効率的な使用ではなく人権基準に基づいた、インクルージョンを支援するための合理的配慮のニーズの認識と、合理的配慮の不提供に対する制裁措置。

 (i)インクルーシブ教育に影響を与える可能性のあるあらゆる法律における、インクルージョンは具体的な目的だという明確なステートメント。

 (j)障害のある人がインクルーシブな学習環境で活躍できるようにするために必要な、早期発見、アセスメント及び支援のための首尾一貫した枠組み。

 (k)地方自治体が、障害のある人を含むすべての学習者のために、インクルーシブな環境と教室において、最も適当な言語によるものを含む、意思疎通のアクセシブルな様式、形態及び手段を計画し、提供する義務。

 (l)障害のある児童を含む障害のあるすべての人に対し、学校評議会、理事会、地方及び中央政府、並びに教育に関する異議申立や上訴を行う仕組みを含む教育制度内で、意見を聴かれ、自己の意見を相応に考慮される権利を保障する法律。

 (m)障害のある人を代表する団体、各種機関、開発組織、非政府組織及び親や養育者など、障害のある人を含むすべてのステークホルダー間のパートナーシップと連携の構築。

 

70.委員会は締約国に対し、分離型の環境からインクルーシブな環境へ、資源を移行することを強く求める。締約国は、障害のある人に必要な支援を提供するために、インクルーシブな教育環境に資源とインセンティブを割り当てる資金調達モデルを開発するべきである。資金調達への最適なアプローチの決定においては、既存の教育環境と、その影響を受ける可能性がある障害のある学習者のニーズが大いに参考になるだろう。

 

71(前略)教員教育の中核となる内容は、人間の多様性、成長と発達、障害の人権モデルと、インクルーシブな教育環境への生徒の参加を確保するために教員が生徒の機能的能力(強み、能力及び学習スタイル)を特定できるようなインクルーシブな指導法に対する基本的な理解に取り組むものでなければならない。教員教育には、点字、大活字、アクセシブルなマルチメディア、読みやすく、やさしい言語、手話やろう文化など、適当な意思疎通の補助的及び代替的な形態、手段及び様式の使用と、障害のある人を支援する教育技術と教材に関する学習を含めるべきである。さらに、教員は特に、個別指導の提供、それぞれの学習スタイルと独自の能力に対応するためにさまざまな指導方法を用いて行われる同一内容の指導、特定の学習ニーズを支援するための個別教育計画の策定とその使用、生徒の教育目的に重点を置いた指導方法の導入について、実践的なガイダンスと支援を必要としている。

 

仮訳:石川ミカ、日本障害者リハビリテーション協会 / 監訳:長瀬修

 

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