次期 学習指導要領の自立活動について

  • 2017.06.05 Monday
  • 00:22

JUGEMテーマ:学問・学校

 自立活動に1つの項目が増え、3つの項目の説明がやや詳しい文章に改定されました。

 新に加わった項目について余り情報が無い状態です。普通、あまり目にしない情報だと思いますが、新しい制度が提案されるときに、一般の意見を徴してから決定するという手続き(パブリックコメント:略して「パブコメ」)が取られています。今回の学習指導要領改訂でもパブコメがあり、その結果も公表されています。

 

 平成29年4月28日に学習指導要領のパブリックコメント(詳しくは、「特別支援学校幼稚部教育要領案,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領案に対する意見公募手続き(パブリックコメント)の結果について」)が出ました。
 回答の一部、私が注目した点について以下に挙げます。

 

意見番号4 {学習指導要領の示し方}社会モデルの考え方をより重視せよとの意見に対する回答で、「また,障害の捉え方については,世界保健機関(WHO)が発表した「国際生活機能分類(ICF)」を踏まえ,生活機能や障害,環境因子を考慮することが求められていることから,現行の特別支援学校学習指導要領解説自立活動編の中でも紹介してきたところであり,ICFの視点についても引き続き周知を図ってまいります。」と書かれています。

 

意見番号11{総則}交流と共同学習の違いを示すべきだという意見に対する回答で、「御指摘のとおり,障害のある子供と障害のない子供が一緒に参加する活動は,相互の触れ合いを通じて豊かな人間性を育むことを目的とする交流の側面と,教科等のねらいの達成を目的とする共同学習の側面があるものと考えております。交流及び共同学習とは,このように両方の側面が一体としてあることを現行の学習指導要領の解説によりすでに明確に表しておりますが,(後略)」と両者に違いがあることを示しつつ、一体のものとして扱うと書かれています。

 

意見番号27{自立活動}「1 健康の保持」「(4)障害の特性の理解と生活環境の調整に関すること。」が規定された意義,規定される場所について。(新しい項目を加える必要があったのか?入れるとして、健康の保持よりも心理的安定なのではないのか?という意見)に対する回答で、「当該規定は,自己の障害にどのような特性があるのかを理解し,それが及ぼす学習上又は生活上の困難についての理解を深め,その状況に応じてより学習や生活をしやすい環境にしていくことを意味しています。・・・発達障害などについての理解が「病気の理解」に含まれにくいことなど,特別支援学校だけではなく,小・中学校の特別支援学級や通級による指導で学ぶ児童生徒の実態を踏まえ,新たに規定したものです。」と書かれています。
 1健康の保持の「(2)病気の状態の理解と養護に関すること」に含まれにくいことは理解出来ますが、2.心理的な安定の「(3)障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する意欲に関すること」や4.環境の把握「(2)感覚や認知の特性への対応に関すること」の二つに「特性」に関することが書かれており、健康の保持というより、心理的安定に加えるという選択もあったのではないでしょうか。

 いずれにせよ、いわゆる「特性」について少なくとも3つの項目が関与している事は知っておく方が良いでしょう。ただし、特性(ややもすると症状の部分になりがち)を重視するよりも、人として共通にもっている様々な機能を伸ばすことが教育の主務だという意識を持っていたいと改めて思いました。

 

<追加:以前ここに書いた内容の再掲>6月6日

 私のホームページに臨時で新旧対照表を掲載していますので、ご覧ください。(私の確認なので、漏れがあるかも知れませんので悪しからず)
http://mon.psychoreha.org/tsk/newjiritsu.pdf

 

  

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