「発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン」の解説(その15) −第3部 学校用 1 校長用(園長用)− を再び(まとめに代えて3)

  • 2017.05.13 Saturday
  • 08:54

JUGEMテーマ:学問・学校

 校園長用の残りの部分をまとめます。

 

5.教職員の理解推進と専門性の向上
 学校内の研修の促進と学校外の研修参加を促すことを校長に求めています。専門性の向上としていますが、何の専門性かという点が問題です。

 私的な意見ですが、通常の担任等にとっては、まず、教科教育の専門性を高め、次いで、発達に応じた教授法の専門性を高め、個々の子どもの多様性に応じる教授方法という専門性を高め、最後に、障害に応じた対応という面についても力をつけるという順番がありそうに思います。
 特別支援学校教諭の場合には、障害に応じた対応が出来る様に、まず、個々の子どもの多様性に応じる対応の仕方と、種々の障害の違いに応じた対応の仕方を学ぶことが必要になります。そこで「特性に応じた指導」という考えが出てくるのですが、特性(
そのものだけが持つ性質;すなわち他と異なる特徴)だけが強調されている昨今の風潮は問題です。トータルに人として、同時に、今居る状況との交互作用の中で、かつ、その人の発達の経過の中で理解し、指導・支援していく必要がある。ということは、特性以外の、人として共通にもつ諸機能とその発達を見ないで指導・支援することはできません。その部分は、一般の教育とほぼ一致している、その部分をみなければならないと思います。その意味で、今回のガイドラインは、前回の特性重視、個別指導重視から大きく改善されていると思います。
 インクルージョンを推進することに賛成だが、特別支援学校など障害児が複数いて、先生方も複数いて、先輩から職場で学ぶことが出来る体制は、重たい子を見るだけで無く、教職員を育てる上でも大事だと思います。これは、単に、現状を維持する事ではありません。簡単なことではありませんが、今後、インクルーシブ教育を推進するためには、午前中にインクルーシブな状況で学び、午後は特別支援学校で学ぶという形態を取ることなど、いろいろ工夫が必要だと思います。

 

6.教員以外の専門スタッフの活用
 特別支援教育支援員のことが専門スタッフの第一に挙げられています。中には、専門性が高い方もいますが、支援員の多くは、率直に言って専門スタッフというよりも、補助的な役割を持つことが多いと思います。支援員が活きるためには、担任や管理職が旨くリードする必要があります。また、研修をもっと充実させる必要があるでしょう。
 他に、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、看護婦、就労支援コーディネーターについて述べられています。管理職としては通常の教諭とこれらスタッフとの協働がうまくいくようコントロールする役割が大事になります。

 

7.保護者との連携の推進
 最初に保護者への理解推進が挙げられている点が注目されます。PTAなどを通じて保護者全体が、障害のある子どもたちに関する理解や、特別支援教育に関する理解を推進していくことが、ひいては、子どもたちの障害児理解へと結びつきますので、今後特に重要になってきます。
 個別の教育支援計画の作成と活用に当たって、保護者の参画は不可欠です。この部分が拡充され、整理されたことは大事な事だと思います。

 

8.専門家・専門機関との連携の推進
 巡回相談やセンター的機能の活用、医療、福祉、労働等の関係機関との連携も述べられています。脚注12には、平成24年の通知が紹介され、福祉関係の「個別支援計画」等との関係や放課後デイとの関係などについても触れられています。


9.進学等における適切な情報の引継ぎ
 個別の教育支援計画の内、進学等の移行期に作成されるものを「移行支援計画」と呼びますが、ここでは、個別の教育支援計画として、引継ぐように書かれています。その際、個人情報保護に努めるようにと書かれています。
  また、高校受験においても合理的配慮が必要な事例には、積極的に周知させるようと書かれています。これらの記載では、事例も挙げられおり、理解を深めやすく書かれています。


 今回は、簡単に内容をまとめましたが、よくまとまっているので、本文をご覧頂きたいと思います。新ガイドラインの全体像を把握する目的であれば、校長用の部分を読むことは良いと思います。


詳しくは、発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン 本文をご覧ください。
 

  

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