「発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン」の解説(その9) −第3部 4 通級担当教員、特別支援学級担任及び養護教諭用−

  • 2017.04.29 Saturday
  • 10:37

JUGEMテーマ:学問・学校

 

 これまでの所で学校内の専門家として挙げられてきた職種等の内、スクールカウンセラーやスクールケースワーカーを除いた方々について、述べられています。これらの職種は「教員」に入るため、学校側の職員というイメージがあるのかも知れません。今後、スクールカウンセラーやスクールケースワーカーが定着し、学校内で「内の職員」という位置づけにまでなると良いのですが、若干時間がかかるのかも知れません。一部は「内の職員」になっている方もいるので、次のガイドラインでは書き込まれる様になることを期待しています。なお、平成16年度版では専門家チームの一員として「心理学の専門家」と述べられてはいましたが、カウンセラーも触れられていなかったので、今回、スクールカウンセラーやスクールケースワーカーの役割は重視されていると考えられます。
 さて、通級担当教員、特別支援学級担任という並びは、平成16年度版では専ら特殊学級担任だったことと比べると隔世の感があります。通級担当教員の役割が大きくなっていることは、通級の急増と共に、通常の学級担任の役割が大きくなったことと対応していると思います。平成16年度版では下敷きとして、学習障害児の個別指導が重視されていた傾向があったと思いますが、新ガイドラインは、医療的ケアが必要な子どもも含めて、全ての特別支援教育の対象を意識して書いてあり、かつまた、学級の中で、学級経営や教科指導など通常の場面を重視していることが大きな特徴です。そのため、通常の学級を支える通級の役割が大きくなっているのだと思います。
 通級の指導では、自立活動を中心とした内容が基本と書かれています。ややもすると、教科の補充指導が中心になっているという現状を聞くことがありますが、基本は自立活動です。したがって、通級担当教員へは自立活動や特別支援教育に詳しい先生を当てる、あるいは、それらの研修を意図的に行って頂きたいと思います。そうでなければ、教科の補充が中心になるのは止むを得ない事になります。通級で主に行う教育活動は自立活動なのだということが常識にならないと変なのです。
 通級担当教員は、学級担任やコーディネーターそして校内委員会との連携・協力が求められています。自校通級なら容易ですが、他校通級の場合、これらの役割を位置づけて時間等を配置しないと、通級担当の先生は大変になります。
 次に、特別支援学級担任について述べてあります。まず、担当する障害種に限定されていますが、学校内の専門家として担任等への支援だけで無く助言についても明記されています。特別支援学級での指導の項で、特別支援学校教諭免許状の取得を勧められているのは注目されます。さらに、交流及び共同学習の推進が役割として書かれています。
 養護教諭の記述では、医療的ケアについて書いてあることが注目されます。平成 27 年5月1日調査では、全国の公立小中学校において、日常的に医療的ケアが必要な児童生徒は 839 名と報告されています。その対策において養護教諭の役割は非常に大切です。
 養護教諭の役割で、「医療機関への受診の必要性等について、学校医に相談します。」と述べられていますが、保護者へ受診を勧める等の記載はありません。

 以上のように、通級担当教員の役割や養護教諭の役割は、今回のガイドラインで新に書き加えられ、特別支援学級担任の役割はすっきりとまとめて述べられています。

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