持続可能な開発目標

  • 2015.10.04 Sunday
  • 01:07
 JUGEMテーマ:学問・学校 

 925-27日に国連持続可能な開発サミットが開催され、25日に『持続可能な開発目標』(SDGs)が採択されました。

 この『持続可能な開発目標』(SDGs)は、世界の問題に対する総合的な解決を図る行動目標で、障害児教育も含むわが国の教育にも影響を与える考え方なのですが、多くのマスコミが、従来の途上国の経済開発援助のイメージで報道していました。それも軽い扱いでした。

 また、同サミットに関する安倍首相の演説 

http://www.sankei.com/politics/news/150928/plt1509280012-n1.htmlも余り取り上げられませんでした。


 詳しくは、NHKの視点・論点 「国連70周年と持続可能な開発目標の採択」国連開発計画(UNDP)駐日代表 近藤哲生 20150923 ()をご覧ください。

 http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/228196.html

近藤氏は、「SDGsの底流にある考え方は、持続可能な開発を進める上で前提となる平和です。どれだけ開発支援に投資しても、社会が不安定化し、紛争や戦争が発生することで、それまで取り組んできた成果は大きく損なわれ、回復にも時間がかかります。地震や台風といった自然災害も開発を後退させます。」など、これまでの経緯とともに本質的な問題を、語っていて大変参考になります。



 また、同じくNHKの「おはよう日本 ここに注目」20150925 ()

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/227936.html#more

 「きょうから国連サミット〜終わらない"宿題"」 道傳 愛子 解説委員 も参考になります。短い記事で、「途上国を支援するだけでなく、先進国も自分たちの足元の問題の解決を、と求めていることです。」と指摘するなど、分かりやすく語っています。 


 比較的、ボリュームのある報道としては、2015929日(火)放送 NHKクローズアップ現代  国連70"誰も置き去りにしない"世界を目指して があります。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3708.html

放送丸ごとテキスト が公開されています。

 前記のように、今回の「持続可能な開発目標」は、低開発国援助ではないのですが、クローズアップ現代は専らアフリカでの開発援助が取り扱われている点は気になりました。しかし、本格的な報道番組として取り上げているだけに注目されます。

  この番組は「誰も置き去りにしない(no one will be left behind)注」という理念をタイトルにしていました。また、『持続可能な開発目標』の開発の部分を「発展」と訳していました(「開発」development と訳した方が良いと思う)。もしかするとクローズアップ現代のスタッフは、単なる途上国の経済開発援助のイメージが強かったのかもしれません。 (※注:UNDPの近藤氏の記事の“Leave no one behind”の用例が多い様子。)

それに対して、安倍首相の開発目標サミットでの演説は、今回の内容に合致していた。小渕首相もそうだったが、安倍首相もこの点について分かっているのではないかと思う。それはわが国の外交が『人間の安全保障』を一つの柱にしているからとのことです。


ESD(持続可能な開発教育)はユネスコの手で、全国で実践されました。国連持続可能な開発10年を提唱したのは日本で、その最終年にまとめの会議が開催されたのも日本で、その国連の10年に日本は資金提供を行って来たのです。小渕さんのころに、人間の安全保障の問題を緒方貞子さんが座長で、国連で議論されていたとのことです。


これらのことが、余り知られていないのが残念です。多くのマスコミは開発援助というイメージが30年以上前のままという印象です。

今回の「持続可能な開発目標」は先進国でも同じ枠組みで、共通の目標を掲げており、障害児者の問題も含まれているのです。多様性、セイフティーネット、クウォリティーオブライフ、生活機能、ケイパビリティーなどの新しい一連の概念を学ぶことが、子ども達のためにも不可欠な世の中になっていると思います。 

その第一歩としておすすめなのは、「人間の安全保障」アマルティア・セン著 (集英社新書)2006年です。講演録なので読みやすいです。

この考え方が今回の持続可能な開発目標の基底になっていると思います。ノーベル経済学賞をアジアで初めて受賞した有名な著者で、セイフティーネットや持続可能な開発の考えを創った人の本ですので、新聞記者さんは、常識として読んでおいて良いと思います。

「持続可能な教育」も今回の国連の開発目標の大きな柱の一つですから、教育関係者も上記の本は、読んでおく方が良いと思います。

結構、小渕前首相が出てきたりして、面白い本です。



 

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