障害者基本計画で個別の指導計画と個別の教育支援計画が重視されている意味

  • 2019.02.12 Tuesday
  • 00:17

JUGEMテーマ:学問・学校

 障害者基本計画の中の教育の部分を改めて読み返してみました。

 障害者基本計画(第4次 2018年〜2023年度)は、障害者基本法に基づいて内閣が国民に対して約束している計画で、文科省の部分は文科省が、国民と内閣に対して公の約束をしている訳です。その中でインクルーシブ教育について次のように述べられています。特に個別の指導計画と個別の教育支援計画(以下、個別の教育支援計画)が重視されています。

 

1) インクルーシブ教育システムの推進(p.48)
○ 障害のある幼児児童生徒の自立と社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、基礎的環境の整備を進めつつ、個別の指導計画や個別の教育支援計画の活用を通じて、幼稚園、小・中学校、高等学校、特別支援学校等(以下「全ての学校」という。)に在籍する障害のある幼児児童生徒が合理的配慮の提供を受けながら、適切な指導や必要な支援を受けられるようにする。こうした取組を通じて、障害のある幼児児童生徒に提供される配慮や学びの場の選択肢を増やし、障害の有無にかかわらず可能な限り共に教育を受けられるように条件整備を進めるとともに、個々の幼児児童生徒の教育的ニーズに最も的確に応える指導を受けることのできる、インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)の整備を推進する。[9-(1)-1]

 

数値目標  2016年には、個別の教育支援計画の作成を必要とする児童等の75.7%であったが、2022年度にはおおむね100%について個別の教育支援計画が作成されるという目標が定められている。
・特別支援学校の教師の特別支援学校教諭免許状保有率が、2016年に75.8%であったが、2020年度に100%と明記されている(この部分に「おおむね」という形容詞は書かれていない)

 

<解説> この「個別の教育支援計画の作成を必要とする児童等」とは、通常の学級に居る特別な教育的支援を要する児童等も含めたものです。通常の学校でこれらの計画を作成することは大変なことだと思います。
 加えて、個別の教育支援計画は、実際に子どもたちを成長・発達させる支援や指導を計画する、すなわち子どもたちを成長・発達させる教育を実行する事を意味します。計画書を書くだけの事ではないという当然のことを考えると、当たり前なのですが、現状からすると大変大きな約束をしていることになります。いきおい、通級による指導でも中心になるはずの、自立活動という具体的な教育内容を計画倒れでなく、実際に展開していく力をつけていかなければならないのです。

 

デジタル教科書

  • 2019.01.21 Monday
  • 21:17

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学校教育法が一部改正され、「学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン」(平成30年12月 文部科学省)が公表されました。全体で15頁ですぐ読めます。以下3点だけ抜き書きします。

 

〇「特別な配慮を必要とする児童生徒等」とは,具体的には,視覚障害や発達障害等の障害,日本語に通じないこと,これらに準ずるもの(色覚特性や化学物質過敏症等)により紙の教科書を使用することが困難な児童生徒をいう。

〇紙の教科書に代えて学習者用デジタル教科書を使用できるのは,各学年における各教科等の授業時数の2分の1未満であること。ただし,特別な配慮を必要とする児童生徒等については,この限りではないこと。

〇特別な配慮を必要とする児童生徒等にとって,ICT を活用することは,学習上の困難を低減させる大きな可能性を有しており,合理的配慮の観点から真摯に取り組むことが重要である。

 

 いろいろ配慮しなければならないでしょうが、ICTに積極的に取り組む姿勢が強いという印象より、紙媒体中心の発想が強い印象でした。しかし、確かな一歩になると思います。

 

詳しくは 文部科学省の資料

謹賀新年

  • 2019.01.02 Wednesday
  • 11:04

あけましておめでとうございます。

書初めの日に、一言雑感を述べさせていただきます。

インクルーシブ教育が教育制度の基礎に位置付けられましたが、実感としては従来の特殊教育と同じような雰囲気で、特別な教育の場で教育される児童・生徒の率が高まっているのが現状です。

とはいえ、いろいろな制度がインクルージョンを妨げにくい形に変化し、徐々にインクルーシブ教育を実施しやすくなりつつあります。

比較的障害の重い子どもたちから、いろいろな事を学んできましたので、完全なインクルージョンが理想と、単純に思えないのですが、改革の基本はやはりインクルージョンの方向だと思います。

そのとき、どの子に対しても、子どものニーズに応じて教育を行うという基本中の基本がベースにあり、どのように差別や偏見が少なくなり、皆が個々のニーズを充足させることができる世の中に、(少しずつのやせ我慢も学びつつ)公正・公平な視座から物事を考えることができる方向へ改善・改革を進めるか?世の中全体の覚悟と見識が求められているような気がします。

その改革には勇気とともに慎重さが必要でしょうが、「慎重」がブレーキとなって全てを無にするのではなく、「慎重に改革する」ということが大切だと思います。

幸い、最近の文科省の文書には、なかなか良いことが書かれていますので、それが市町村の、そして地域の学校へ伝わり、更に、地域の工夫や改革が国にも影響を与えるような年になることを祈っています。

そのためには、目の前の子どもへの実践で、ひと工夫に努力したいと思います。

今年も宜しくお願いいたします。

南青山の児相を含む複合児童施設の建設に反対運動

  • 2018.12.26 Wednesday
  • 01:55

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このような反対運動は法的にも問題だったのではないかと思っていましたが、どこに書かれているか思い出せませんでした。やっと思い出したので書かせて頂きます。

以下の、障害者差別解消法や同法に関する政府の基本方針をご覧ください。
これらの啓発には学校教育等で子どもの頃から教える必要があります。しかし、地方自治体の特に教育に関する対応要領で啓発活動の部分がちゃんと書かれていないものが大多数だと思います。お住いの自治体の対応要領をチェックして頂けると有難いです。


〇障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案に対する附帯決議(衆議院)
五 国及び地方公共団体において、グループホームやケアホーム等を含む、障害者関連施設の認可等に際して周辺住民の同意を求めないことを徹底するとともに、住民の理解を得るために積極的な啓発活動を行うこと。

〇障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案に対する附帯決議(参議院)
六 国及び地方公共団体において、グループホームやケアホーム等を含む、障害者関連施設の認可等に際して周辺住民の同意を求めないことを徹底するとともに、住民の理解を得るために積極的な啓発活動を行うこと。

〇政府が閣議決定をした「障害を理由とする差別の解消に関する基本方針」3 啓発活動の(3)地域住民等に対する啓発活動では,「ウ 国は、グループホーム等を含む、障害者関連施設の認可等に際して、周辺住民の同意を求める必要がないことを十分に周知するとともに、地方公共団体においては、当該認可等に際して、周辺住民の同意を求める必要がないことに留意しつつ、住民の理解を得るために積極的な啓発活動を行うことが望ましい。」

 

国が周辺住民の同意を求める必要がない事を充分周知してきたのでしょうか?

地方公共団体は積極的な啓発活動を行ってきたのでしょうか?

何より、学校は上記のようなことを子どもたちに教え、啓発しているのでしょうか?

教育職員免許法附則第16項の廃止

  • 2018.11.08 Thursday
  • 08:44

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前回の記事に「教育職員免許法附則第16項の廃止」という文言がありました。この短い付則が、長年問題の解決を阻害していた訳で、法令の重要さを感じます。

もちろん、この問題は長年語られてきたのですが、今日の「免許義務制」という問題の元は、下記の免許法の矛盾に基づいています。この問題に解決の方向を与えた報告の資料から引用します。

 

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)平成24年7月23日

参考資料26:特別支援教育に係る教育職員免許状について より
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1323331.htm

 

○特別支援学校の教員は、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校の教諭免許状のほか、特別支援学校教諭免許状を有していなければならない(法第3条第3項)。
ただし、専ら「自立教科等」の教授を担任する教員は、「自立教科等」について授与された特別支援学校教諭免許状を有していればよい(同条同項)。


○法第3条の規定にかかわらず、幼・小・中・高の教諭免許状を有する者は、「当分の間」特別支援学校の相当する部の教諭等となることができる(法附則第16項)。      (以上)

 

 教育職員免許法は昭和24年5月31日に成立しているので、69年間(これまで70年以上と書いていたのは誤りでした。)が「当分の間」と言えるのかどうか、いまさら猶予期間は無いと考える方が良いでしょう。これらの動きは少なくとも平成24年には顕在化していましたし、平成28年には2020年に当該学校の免許保有率100%にするという方針が明確に出されているからです。

 

特別支援学校教員専門免許2020年問題 その3

  • 2018.11.07 Wednesday
  • 17:39

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 元々の文書を掲載します。なぜ特別支援学校教諭免許状を義務化するかの理由が読み取れます。もっとも、70年以上前から事情は変わらないと思いますので、早急に是正されることが大切だと思います。

 中央教育審議会答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について〜学び合い,高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて〜」(平成27年12月21日)54-55頁に免許の義務化をする理由も含めて、以下の様に述べられています。ここでも平成32年(2020年)という目標が示されています。

 

特別支援学校の教員は子供一人一人の障害に応じた適切な指導が求められるほか,障害の多様化や重度・重複化への対応,特別支援学校が地域の特別支援教育のセンター的機能を発揮する必要性等から,これまで以上に特別支援学校の教員としての専門性が求められている。

 このため,教育職員免許法附則第16項の廃止も見据え,平成32年度までの間に,おおむね全ての特別支援学校の教員が免許状を所持することを目指し,国が必要な支援を行うことが適当である。集中的に所持率の向上を図るためには,都道府県教育委員会等,学校設置者における特別支援学校の教員の採用や配置,研修等を通じた取組を求めるとともに,国においても,現職教員に対する免許法認定講習の開設支援や,独立行政法人国立特別支援教育総合研究所による免許法認定通信教育の実施,養成段階での免許状取得促進等の取組を進めることが考えられる。

 また,小中学校の特別支援学級や通級による指導の担当教員は,教育職員免許法上特別支援学校教諭免許状の所持は必要とされていないが,特別支援学級等での指導のみにとどまらず,小中学校における特別支援教育の重要な担い手であり,その専門性が校内の他の教員に与える影響も極めて大きい。

 そのため,小中学校の特別支援学級担任の所持率も現状の2倍程度を目標として,特別支援学校教諭免許状の取得を進めることが期待される。

【注:現状で約30%なので、60%を当面の目標としているものと推察されます。韓国では学級の担任の所持率が90%を超えていますので、いずれ、我が国でもより高い所持率が求められると思います。とは言え、特別支援学級の担任についても言及されたのは大きな進歩だと思います。】

特別支援学校教員専門免許2020年問題 その2

  • 2018.11.07 Wednesday
  • 11:33

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 昨日、文科省の2020年までに該当免許の保有率を100%にするという方針について、改めて取り上げました。この記事をFBへ紹介したところ、友達の岩手の先生から、岩手は100%と思うけどというコメントを頂きました。

 岩手県は平成29年の文科省調査で、特別支援学校の教員の99.5%が何らかの特別支援学校教諭免許状を保持しており、日本一の率です。しかし、所属する特別支援学校に該当する免許状の保有率は85.8%で第8位となっています。

 群馬県の場合、特別支援学校の教員の70.8%が何らかの特別支援学校教諭免許状を保持しております。また、所属する特別支援学校に該当する免許状の保有率は66.8%で下から数えて6位となっています。全国平均が70%を越えたら免許の義務化をすると文科省は以前から表明していました。

 文科省は該当免許上の保有率を100%にするという方針です。このことは70年以上保留されてきた、本来あるべき姿へやっと改善する政策であり、非常に大事だと思います。

 

 全体の順位が確認できるように以下のHPのエクセルデータを改良しました。(旧版は順位がソートされていませんので、更新してご覧ください)。

 

https://mon.psychoreha.org/tsk/link01.html

特別支援学校教員専門免許2020年問題

  • 2018.11.05 Monday
  • 15:01

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 旧聞ですが、毎日新聞(2016年11月26日)は以下の様に報道しました。

 

特別支援学校教員専門免許取得促す 文科省が法改正検討

 障害がある児童生徒が通う特別支援学校の教員に教育職員免許法が保有を義務づけている専門免許の取得を促すため、文部科学省が同法の改正を検討している。法には専門免許がなくても教員免許があれば「当分の間」は特別支援学校の教員になれるとする付則が1949年の法施行当時からあり、条文は70年近くも有名無実と化していた。専門免許保有率は特別支援学校教員の7割にとどまっており、文科省は2020年度までに保有率100%達成を目指し、その後に法改正する。(以上)

 

 70年間待ちに待った改革ですが、一昨年以来、思ったほど報道で取り上げられていませんし、先生方の中でも大きな話題になっていない様に思います。しかし、栃木県教育委員会が2020年までに100%の保持率にするための4年計画を公表するなど、しかるべきところでは確実に準備が進んでいます。

 これに関連する公文書として、以下の通知があります。特別支援学校の学習指導要領の改訂に関する通知ですが、その全8ページの7ページ目に以下の内容があります。平成32年までに全教員が免許保有を目指すと明言されています。この文書では「おおむね全ての」と述べていますが、新聞記事のように「保有率100%達成を目指し」ている訳です。

 

学校教育法施行規則の一部を改正する省令の制定並びに特別支援学校幼稚部教育要領の全部を改正する告示及び特別支援学校小学部・中学部学習指導要領の全部を改正する告示の公示について(通知)平成29年4月28日

(2)特別支援学校教諭等免許状の早期取得促進

平成27年12月の中央教育審議会答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」において,平成32年までにおおむね全ての特別支援学校教員が当該学校教諭等免許状を保有することを目指すとされたことを踏まえ,特別支援学校教諭等免許状保有者の特別支援学校への採用・配置,同免許状を保有しない特別支援学校教員に対する免許法認定講習の受講促進など,計画的な同免許状保有率向上の取組を進め,特別支援学校教員の専門性向上に引き続き努めること。

通級でも自立活動と個別の指導計画を作成します2

  • 2018.11.05 Monday
  • 00:29

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 発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン

 

 連続講座の議論の中で、通級でも個別の指導計画を作成する義務があるか否か議論になりました。以前は努力するという風に書かれていたが、今回の改定ではどうなのか議論しました。その後、関連部分を確認してみました。その第二弾です。

 

 10月27日の記事では学習指導要領との関連で、通級において個別の指導計画を作成することになったことに関連する部分を調べました。

今回は「発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン〜発達障害等の可能性の段階から,教育的ニーズに気付き,支え,つなぐために〜」 平成29年3月 文部科学省

の中で、「個別の指導計画」は38件-、「個別の教育支援計画」は87件書かれています。通級に関連する部分など、新しい学習指導要領の個別の指導計画に関連する部分を中心に抜き書きをしました。

このガイドラインは、主に通常の幼稚園、小中学校における特別支援教育の体制整備に関して、必要な事項を整理して示しており、通常の幼稚園、小中学校、高等学校で特別支援教育を展開する際に必読の文書です。したがって、特別支援学校のセンター的機能を展開する上でも不可欠の文書です。この中でも、個別の指導計画は必須のものとして述べられています。

 通級による指導における自立活動や個別の指導計画に関連する部分を少し長いのですが、抜き書きしました。

 

 

はじめに で

 このたびの学習指導要領改訂において,通級による指導を受ける児童生徒や特別支援学級に在籍する児童生徒については,個別の教育支援計画や個別の指導計画を全員作成することとされるなど,特別支援教育を取り巻く状況は日々変化しています。

 

p.18 

第3部 学校用<校長(園長を含む)用>

4.個別の教育支援計画及び個別の指導計画の作成と活用・管理

校長は,学校内での個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成し,活用を進めるとともに,適切に管理します。

 

脚注 9

 各学校において行う特別支援教育の対象は,特別支援学級はもとより,通常の学級を含む,全ての教育上特別の支援を必要とする児童等であり,特別支援教育は,学校教育法第81条第2項各号に記載されている障害種のみならず,あらゆる障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を指します。法律上は,障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとされていますが,これは必ずしも,医師による障害の診断がないと特別支援教育を行えないというものではなく,児童等の教育的ニーズを踏まえ,校内委員会等により「障害による困難がある」と判断された児童等に対しては,個別の教育支援計画及び個別の指導計画の作成を含む適切な支援を行う必要があります。

 また,次期学習指導要領においては,通級による指導を受ける児童等及び特別支援学級に在籍する児童等に対する指導や支援が組織的・継続的に行われるよう,「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」を全員作成することとされています。

 

p.19-20

(参考)次期小学校学習指導要領(抜粋)

第1章総則

第4児童の発達の支援

2特別な配慮を必要とする児童への指導

(1)障害のある児童などへの指導

エ障害のある児童などについては,家庭,地域及び医療や福祉,保健,労働等の業務を行う関係機関との連携を図り,長期的な視点で児童への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成し活用することに努めるとともに,各教科等の指導に当たって,個々の児童の実態を的確に把握し,個別の指導計画を作成し活用することに努めるものとする。特に,特別支援学級に在籍する児童や通級による指導を受ける児童については,個々の児童の実態を的確に把握し,個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し,効果的に活用するものとする。

(参考)次期中学校学習指導要領(抜粋)

第1章総則

第4生徒の発達の支援

2特別な配慮を必要とする生徒への指導

(1)障害のある生徒などへの指導

エ障害のある生徒などについては,家庭,地域及び医療や福祉,保健,労働等の業務を行う関係機関との連携を図り,長期的な視点で生徒への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成し活用することに努めるとともに,各教科等の指導に当たって,個々の生徒の実態を的確に把握し,個別の指導計画を作成し活用することに努めるものとする。特に,特別支援学級に在籍する生徒や通級による指導を受ける生徒については,個々の生徒の実態を的確に把握し,個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し,効果的に活用するものとする。

※平成29年3月公示

 

(参考)「個別の支援計画」について

「個別の支援計画」とは,乳幼児期から学校卒業後までの長期的な視点に立って,教育,医療,保健,福祉,労働等の関係機関が連携して,障害のある子ども一人一人のニーズに対応した支援を効果的に実施するための計画です。その内容としては,障害のある子どものニーズ,支援の目標や内容,支援を行う者や機関の役割分担,支援の内容や効果の評価方法などが考えられます。

この「個別の支援計画」を,学校や教育委員会の教育機関が中心となって策定する場合には,「個別の教育支援計画」と呼んでいます。

つまり,「個別の教育支援計画」は「個別の支援計画」に含まれるものであり,「個別の支援計画」を教育機関が中心となって策定する場合の呼称であるとの理解が大切です。

※「障害のある子どものための地域における相談支援体制整備ガイドライン(試案)」(平成20年3月文部科学省,厚生労働省)から抜粋 【このガイドライン試案は、余り知られていませんが重要なガイドラインです】

 

p.24

脚注12

 教育と福祉の連携を一層推進するため,学校と障害者通所支援を提供する事業所や障害児入所施設,居宅サービスを提供する事業所(以下「障害児通所支援事業所等」という。)が緊密な連携を図るとともに,学校等で作成する個別の教育支援計画及び個別の指導計画と障害児相談支援事業所で作成する障害児支援利用計画及び障害児通所支援事業所等で作成する個別支援計画が,個人情報に留意しつつ連携していくことが望ましいです。(平成24年4月18日付け厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課,文部科学省初等中等教育局特別支援教育課連名事務連絡)

 

p.29

(3)個別の教育支援計画及び個別の指導計画の作成

 校内委員会で個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成する際には,校長の判断により,作成に関わる校内委員会の構成員の役割が決められますが,特別支援教育コーディネーターは,自身が担当する役割のみならず,各学級担任や校内委員会の構成員が担当する役割に対しても積極的に協力をしていくことが重要です。

 とりわけ,児童等の支援を行うに当たって,学級担任以外の教員等と共通理解を図り,その協力を求めたり,関係機関と連携を行ったりするためには,個別の教育支援計画及び個別の指導計画を各学級担任と連携して作成し,活用することが有効です。

 そのため,特別支援教育コーディネーターは,あらかじめ,校内委員会において,学校内における個別の教育支援計画等の共通様式(フォーマット)等の作成や作成の行程を提示しておくことが重要です。

 

p.35

脚注16

 次期学習指導要領において,通級による指導を受ける児童等及び特別支援学級に在籍する児童等に対する指導や支援が組織的・継続的に行われるよう,「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」を全員作成することとされています。

 

p.54

○特別支援学校用(センター的機能)

1.センター的機能の内容

 特別支援学校は,地域における特別支援教育のセンターとして,各学校の要請に応じて,教育上特別の支援を必要とする児童等の教育に関し必要な助言又は援助を行うよう努める旨が,学校教育法第74条に明確に位置付けられています。

 各学校の特別支援教育を支援する,地域支援チームの中核となります。

 センター的機能の具体的内容としては,次のようなことが求められます。

・各学校の教職員への支援機能

・各学校の教職員に対する研修協力機能

・特別支援教育に関する相談・情報提供機能

・個別の指導計画や個別の教育支援計画等の作成への助言など,児童等への指導・支援機能

・教育,医療,保健,福祉,労働等の関係機関等との連絡・調整機能

・児童等への施設設備等の提供機能 等      (以上)

 

通級でも自立活動と個別の指導計画を作成します

  • 2018.10.27 Saturday
  • 17:41

 

JUGEMテーマ:学問・学校

 小学校学習指導要領総則

 

 連続講座の議論の中で、通級でも個別の指導計画を作成する義務があるか否か議論になりました。以前は努力するという風に書かれていたが、今回の改定ではどうなのか議論しました。その後、関連部分を確認してみました。

 通級による指導における自立活動や個別の指導計画に関連する部分を少し長いのですが、抜き書きしました。

 結論から言うと、特別支援学級だけでなく、通級による指導においても自立活動を重視し、個別に指導計画を作成しなければならないと規定されました。

 自立活動の個別の指導計画については特別支援学校の先生方が詳しいので、通常の小中学校では、特別支援学校のセンター的機能を活用して、個別の指導計画を作成することになると思います。この作成の仕方は、新しい学習指導要領で、以前より格段に詳しく規定されていますので、その理解を深める必要があります。

 

小学校学習指導要領解説 p.106

 学校教育法第81条第1項では,幼稚園,小学校,中学校,高等学校等において,障害のある児童生徒等に対し,障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うことが規定されている。

 また,我が国においては,「障害者の権利に関する条約」に掲げられている教育の理念の実現に向けて,障害のある児童の就学先決定の仕組みの改正なども踏まえ,通常の学級にも,障害のある児童のみならず,教育上特別の支援を必要とする児童が在籍している可能性があることを前提に,全ての教職員が特別支援教育の目的や意義について十分に理解することが不可欠である。

 そこで,今回の改訂では,特別支援教育に関する教育課程編成の基本的な考え方や個に応じた指導を充実させるための教育課程実施上の留意事項などが一体的に分かるよう,学習指導要領の示し方について充実を図ることとした。

 

p.108

特別支援学級における特別の教育課程(第1章第4の2の (1) のイ)

イ 特別支援学級において実施する特別の教育課程については,次のとおり編成するものとする。

(ア) 障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るため,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動を取り入れること。

(イ) 児童の障害の程度や学級の実態等を考慮の上,各教科の目標や内容を下学年の教科の目標や内容に替えたり,各教科を,知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校の各教科に替えたりするなどして,実態に応じた教育課程を編成すること。

 

p.109

自立活動の内容は,各教科等のようにその全てを取り扱うものではなく,個々の児童の障害の状態等の的確な把握に基づき,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な項目を選定して取り扱うものである。よって,児童一人一人に個別の指導計画を作成し,それに基づいて指導を展開する必要がある。

 

p.110

 通級による指導における特別の教育課程(第1章第4の2の (1) のウ)

ウ 障害のある児童に対して,通級による指導を行い,特別の教育課程を編成する場合には,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動の内容を参考とし,具体的な目標や内容を定め,指導を行うものとする。その際,効果的な指導が行われるよう,各教科等と通級による指導との関連を図るなど,教師間の連携に努めるものとする。

 

p.111

今回の改訂では,通級による指導を行い,特別の教育課程を編成する場合について,「特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動の内容を参考とし,具体的な目標や内容を定め,指導を行うものとする。」という規定が新たに加わった。したがって,指導に当たっては,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動の6区分27項目の内容を参考とし,本解説第3章第4節の2(1) で述べたとおり,児童一人一人に,障害の状態等の的確な把握に基づいた自立活動における個別の指導計画を作成し,具体的な指導目標や指導内容を定め,それに基づいて指導を展開する必要がある。

 

p.112

通級による指導の内容について,各教科の内容を取り扱う場合であっても,障害による学習上又は生活上の困難の改善又は克服を目的とする指導であるとの位置付けが明確化されたところである。

ぁ仝鎚未龍軌藥抉膩弉茲個別の指導計画の作成と活用(第1章第4の2の(1) のエ)

エ 障害のある児童などについては,家庭,地域及び医療や福祉,保健,労働等の業務を行う関係機関との連携を図り,長期的な視点で児童への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成し活用することに努めるとともに,各教科等の指導に当たって,個々の児童の実態を的確に把握し,個別の指導計画を作成し活用することに努めるものとする。特に,特別支援学級に在籍する児童や通級による指導を受ける児童については,個々の児童の実態を的確に把握し,個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し,効果的に活用するものとする。

 

p.113

 個別の教育支援計画及び個別の指導計画は,障害のある児童など一人一人に対するきめ細やかな指導や支援を組織的・継続的かつ計画的に行うために重要な役割を担っている。

 今回の改訂では,特別支援学級に在籍する児童や通級による指導を受ける児童に対する二つの計画の作成と活用について,これまでの実績を踏まえ,全員について作成することとした。

 また,通常の学級においては障害のある児童などが在籍している。このため,通級による指導を受けていない障害のある児童などの指導に当たっては,個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成し,活用に努めることとした。

 

p.114

通常の学級に在籍する障害のある児童などの各教科等の指導に当たっては,適切かつ具体的な個別の指導計画の作成に努める必要がある。

 特別支援学級における各教科等の指導に当たっては,適切かつ具体的な個別の指導計画を作成するものとする。

 

 なお,通級による指導において,特に,他校において通級による指導を受ける場合には,学校間及び担当教師間の連携の在り方を工夫し,個別の指導計画に基づく評価や情報交換等が円滑に行われるよう配慮する必要がある。

  各学校においては,個別の教育支援計画と個別の指導計画を作成する目的や活用の仕方に違いがあることに留意し,二つの計画の位置付けや作成の手続きなどを整理し,共通理解を図ることが必要である。また,個別の教育支援計画及び個別の指導計画については,実施状況を適宜評価し改善を図っていくことも不可欠である。

 

p.115

学校運営上の特別支援教育の位置付けを明確にし,学校組織の中で担任する教師が孤立することのないよう留意する必要がある。このためには,校長のリーダーシップのもと,学校全体の協力体制づくりを進めたり,全ての教師が二つの計画についての正しい理解と認識を深めたりして,教師間の連携に努めていく必要がある。

 

p.185 

付録2 第4 児童の発達の支援

2 特別な配慮を必要とする児童への指導

(1) 障害のある児童などへの指導

ア 障害のある児童などについては,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,個々の児童の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。

イ 特別支援学級において実施する特別の教育課程については,次のとおり編成するものとする。

(ア) 障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るため,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動を取り入れること。

(イ) 児童の障害の程度や学級の実態等を考慮の上,各教科の目標や内容を下学年の教科の目標や内容に替えたり,各教科を,知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校の各教科に替えたりするなどして,実態に応じた教育課程を編成すること。

ウ 障害のある児童に対して,通級による指導を行い,特別の教育課程を編成する場合には,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動の内容を参考とし,具体的な目標や内容を定め,指導を行うものとする。その際,効果的な指導が行われるよう,各教科等と通級による指導との関連を図るなど,教師間の連携に努めるものとする。

エ 障害のある児童などについては,家庭,地域及び医療や福祉,保健,労働等の業務を行う関係機関との連携を図り,長期的な視点で児童への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成し活用することに努めるとともに,各教科等の指導に当たって,個々の児童の実態を的確に把握し,個別の指導計画を作成し活用することに努めるものとする。特に,特別支援学級に在籍する児童や通級による指導を受ける児童については,個々の児童の実態を的確に把握し,個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し,効果的に活用するものとする。

 

p.255

第5 特別な配慮を必要とする幼児への指導

1 障害のある幼児などへの指導

  障害のある幼児などへの指導に当たっては,集団の中で生活することを通して全体的な発達を促していくことに配慮し,特別支援学校などの助言又は援助を活用しつつ,個々の幼児の障害の状態などに応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。また,家庭,地域及び医療や福祉,保健等の業務を行う関係機関との連携を図り,長期的な視点で幼児への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成し活用することに努めるとともに , 個々の幼児の実態を的確に把握し,個別の指導計画を作成し活用することに努めるものとする。

2 海外から帰国した幼児や生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児の幼稚園生活への適応  海外から帰国した幼児や生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児については,安心して自己を発揮できるよう配慮するなど個々の幼児の実態に応じ,指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。(以上)

 

 

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